とも姐の神戸散歩

神戸新開地喜楽館

公開 : 2023/06/25

神戸新開地喜楽館

「なぁ、落語、見に行かへん!?」
「落語!? 『笑点』みたいなやつ?」
「笑点は大喜利って言って落語の余興みたいなもんやけど、本当の落語って座布団の上で1人で何役も演じるエンターテイメントでな…(以下略」

ということでやってきました。神戸新開地喜楽館

新開地商店街のアーケードにぶら下がる大きな提灯が喜楽館への目印です。

神戸新開地喜楽館

2018年7月、神戸唯一の定席じょうせきとして神戸新開地喜楽館が開館しました。

定席とは毎日落語が見られる寄席のこと。2023年現在、関西では2006年に開館した大阪の天満天神繁昌亭と新開地の喜楽館の2か所しかありません。

隣の喫茶店「茶房歌舞伎」では喜楽館に出演する落語家さんがお茶や食事をしているところに出くわすことがあります。店の名前が「歌舞伎」なのに😓。

神戸新開地喜楽館

昼席は毎日14時開演です。昼席が開場する13時30分になると、若手の落語家さんが一番太鼓を叩き、開演を知らせます。太鼓は大入り満員を願って「どんどん、どんと来い」の節で鳴らされます。

この日は入門2年目の笑福亭喬明きょうめいさんによる一番太鼓でした。一番太鼓を叩いた落語家さんは、このあと「開演前の一席」(以前は「開口ゼロ番」と言ってました)と題して落語を演じます。

神戸新開地喜楽館

喜楽館は商店街から少し奥に入口がありますが、その途中に喜楽館のマスコット、ビリケンさん風な「メリケンさん」が鎮座しています。

このメリケンさんは地元兵庫区出身の落語家・桂あやめ師匠がデザイン。膝をさすると日替わりでいろんな落語家さんの笑い声が聴ける仕掛けがしてあります。

なぜ、ビリケンさん風なのかというと、実は日本最初のビリケンさんが、兵庫区内の松尾稲荷神社に鎮座していることにちなみます。

神戸新開地喜楽館

意外に知られていないのが、これ。2階席へ上がる階段の踊り場に「ステージ模型」が展示されています。

神戸新開地喜楽館

たまには2階席から落語を見ることをオススメします。2階席からは、日頃、テレビの落語では見られない見台の使い方などの所作が立体的に見られるので、特に落研の人にオススメしたいです。私がこれまで見た中では桂二葉さんの所作がダイナミックで見応えがありました。

神戸新開地喜楽館

そして本物の舞台。撮影日は1月1日の鏡開きだったので酒樽が置かれていますが、通常はここに高座と呼ばれる台と、その上に座布団。演者によっては膝隠し、見台が置かれています。

舞台に掲げられている「喜」の文字は六代桂文枝師匠によるもの。ちなみに大阪の天満天神繁昌亭には人間国宝・桂米朝師匠の「楽」の額が掲げられています。

あと、落語に限ったことではありませんが、開演中は予め携帯電話の電源を切りましょう。そして撮影、録音は禁止です。

※例外としてトークショー、口上などは撮影が許可されることもあります。

神戸新開地喜楽館

商店街に面したところには、その日の演者の名前が書かれた「香盤表」が置かれています。

「今日、落語みたいなぁ」と思ったら、開演前にこの表で演者を確認することができます。また、赤文字で書かれた演者は、落語以外の芸をする人です。その色から、落語以外の芸を「イロモノ」といいます。これは2023年元旦の香盤表ですが、笑福亭松喬師匠が獅子舞を演じました。松喬師匠は中入り後に落語も演じているため、赤色と黒色の2枚の名札が掲げられています(こういうパターンは珍しいです)。

ちなみに「中入」とは15分程度の休憩時間のこと。中入りが終わる時間が近づくと太鼓が鳴らされますが、これを「しゃぎり」といいます。

寄席が終わると、この日に演じられた演目も貼り出されます。私もそうですが、よく寄席に来る人は、この貼り紙を必ず写真に撮って記録してますね。

神戸新開地喜楽館

新開地駅から喜楽館へ上がる階段には、喜楽館のゲートがデザインされているので、地下にいても、迷わずに喜楽館へ行くことができます。

※公式サイト:神戸新開地喜楽館
※初めて寄席へ行く方に見て欲しい動画:寄席鑑賞マナー動画 (一般社団法人落語協会)

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