とも姐の神戸散歩

松尾稲荷神社

公開 : 2023/1/8

松尾稲荷神社

ハーバーランドから歩いて10分足らずのところにある松尾稲荷神社には、日本最古の、とある神様が鎮座されています。

松尾稲荷神社

鳥居の向こうは路地のように細い参道が続きます。

松尾稲荷神社

天井からたくさんの提灯が垂れ下がる本殿。本殿の中心にお稲荷様が祀られているのですが、私が目指すのはさらに奥。本殿の隅っこに祀られている「日本最古のとある神様」です。

松尾稲荷神社

この神様こそ「日本最古のビリケン様」です。

ビリケン様といえば通天閣のてっぺんにいる、ユーモラスな神様が有名ですが、それよりも古いビリケン様なのです。この神社では「松福大神」として祭神になっています。

ビリケンとは1907年に、アメリカ・シカゴの女流彫刻家が夢で見た神様がモチーフという説と、500年以上前からイヌイットの間で作られているべリケン(BELLIKEN)という人形が元になったなど諸説があるそうですが、そのユーモラスな外見から欧米でビリケン人形が大量に作られていきました。

松尾稲荷神社

日本に伝わったのは大正時代、神戸を訪れたアメリカの水兵が持っていたビリケン人形を、なぜか元町の洋食店店主が真似て作ったものが元祖…つまり、このビリケン様が日本最初のビリケン様だとされています。

写真では供物で隠されてわからないのですが、なんとこのビリケン様、米俵の上に座っているそう。まるで大黒様のように作られたことから、日本では単なる人形ではなく、神様となっていったのでしょう。

ちなみに神戸新開地喜楽館のキャラクター「メリケンさん」は、このビリケンさんがモチーフになっています。

松尾稲荷神社

こちらが祭神のお稲荷様。写真は正面から撮ったものですが、ビリケン様を詣でた人のために裏側からでもお稲荷様を拝むことが許されています。

松尾稲荷神社

参道の脇には「平成のビリケン様」の石像がありました。こちらは足も触れそうですね。ちなみに、もともとは北野坂にあったものだとか。

そして背後にある赤い玉が埋まった碑は、1912年、この神社から伊勢神宮を拝むために祀られた「一願成就の碑」。赤い玉が「目」に見えることから「一眼」→「一願」となったそう。

なお、この神社ではビリケン様と「BILLIKEN」の英文字が入った御朱印や、「大大吉」があるおみくじなど、全国的にも珍しい趣向があります。2023年の開運祈願にいかがでしょう。

※公式サイト:松尾稲荷神社

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