公開 : 2022/6/11
逸翁美術館の場所を確かめるために池田駅前の地図を見ていたら、なぜか私の目に飛び込んできたのは「落語みゅーじあむ」の文字。
「落語みゅーじあむこそ、落研出身の私が行くべき場所ではないのか!?」
…と自問自答しながら歩いていると、落語みゅーじあむの前に立っていました。
正式名称は「池田市上方落語資料展示館」。なぜ、池田市で落語!?と思う方もいると思います。逆に落語好きならピンときたのではないでしょうか.
池田市は古典落語「池田の猪買い」の舞台。そして古典落語ではポピュラーな「牛ほめ」も池田が舞台です。
落語みゅーじあむに入ると正面に高座が控えています。実際にここでプロアマ問わず落語会が開催されることもあります。落語会がない日は入館無料で見学ができます。
高座には、客席側のついたて「ひざ隠し」、そしてその奥の「見台」、見台の上には「小拍子」が置かれています。実はこの3点セットは江戸落語にはなく、上方落語独自のものです。ちなみに膝隠しに描かれている紋は池田市の市章。
また落語の噺の中に三味線や太鼓、小唄などのBGMが入るのも上方落語独自のもの。ちなみにBGMが入る落語を「ハメモノ」といいます。
落語みゅーじあむの顔ハメパネル。「池田の猪買い」がモチーフになっています。
落語みゅーじあむの2階では落語に関する本やCD、DVDなどが閲覧・視聴できる資料室となっています。思わず1時間以上もこもってしまいました。
各フロアには六代桂文枝師匠が寄贈した落語関係の資料も展示されています。
落語みゅーじあむの前には大衆演劇の劇場「池田呉服座」がありました。といってもマンションの1階部分ですが、独特の雰囲気を醸し出しています。
その歴史は江戸時代にまで遡ります。もともとは猪名川の堤防にあり、宝塚の中山寺、箕面の勝尾寺を結ぶ巡礼道にあり、旅人を楽しませていたそう。
明治時代には「呉服座」という名前ではなく、戎座、呉羽座などと呼ばれていたそう。
そして現在地に建っていた呉服座の建物は、愛知県犬山市の明治村へ移築され、一般公開されています。しかも重要文化財です!
池田呉服座の窓。なんと和風なデザインのステンドグラスになっていました。洒落てますね。
※参考サイト:池田市 上方落語資料展示館(落語みゅーじあむ)
※公式サイト:大衆演劇場・呉服座
※参考サイト:呉服座 (博物館明治村)