公開 : 2021/11/21
新開地で最も奇抜な建物といえば、この日本共産党兵庫県委員会の建物でしょう(1965年竣工・増田友也設計)。
建築家を志す人にとって増田友也(1914〜1981、建築家・京都大学工学部教授)設計と言えば、それだけで「おお!」と、うなるぐらいの名建築なのだそうです。
まずは後ろから。独特のフォルムです。周辺の建物が密集し、建物全景を見通せないのが残念。
商店街側へ回り込んできました。この建物のコンセプトは「大型客船」。そう言われると船にも見えなくもないですね。
もともとは高級肉料理店「赤のれん」の店舗として建てられ、すき焼き専用の個室や100人以上を収容できる大宴会場など、およそ30室の部屋があったとか。それだけで当時の新開地の賑わいを感じることができます。
正面にきました。思いっきり商店街に面しています。
これだけの巨大な店舗を構えた「赤のれん」は1980年に新開地から撤退します。おそらく新開地の衰退によるものでしょう。
その後、共産党県委員会が購入。「赤のれん」が「赤旗」に変わり、宴会場や個室は会議室や事務所に改装されているそうです。