公開 : 2022/4/3
神戸で最も人が集まる場所といえば「三宮センター街」。ここに来れば最新のファッションや美味しい食べ物など神戸の流行の最先端に触れることができます。
そんな三宮センター街の誕生は終戦直後。空襲によって店を焼かれた商店主らがこの辺りに集まって商売を始めたのがきっかけと言われています。
1946年秋には商店会が結成され、商店街の名前が「三宮センター街」に決まりました。
「センター街」と言えば東京の「渋谷センター街」が有名ですが、実は日本最初に「センター街」を名乗ったのは「三宮センター街」なのです。
三宮センター街は高いアーケードが特徴的。これだけ高いアーケードは全国的にも珍しいそうです。
三宮センター街が創業した当初、電車で三宮駅を下りたった買い物客は駅前のそごう神戸店 (現在の神戸阪急)か、もしくは高架下商店街を通って大丸神戸店へ向かうコースが定番で、センター街へ買い物に来る人はまばらだったそう。
特に夏場は日陰がないセンター街に来る人はほとんどいなかったそうで、日除けとして葦簀張りの仮設アーケードを設置しました。しかし、それも集客に効果がなかったことから、1953年に三宮センター街2丁目からアーケードが設置されました。
1995年の阪神・淡路大震災では三宮センター街1丁目のアーケードが一部で崩落。震災後、しばらくはアーケードが撤去された時期もありました。
現在のアーケードは1998年に完成。震災前よりも高く設置されました。
このアーケードも独特です。上の写真を見てもらうとよくわかるのですが、建物がアーケードを支えています(支柱で支えているのは一部だけ)。大きな商店街で、このような構造は珍しいです。
しかし、建物を建て替えるときはどうするんでしょう。
アーケードが高いだけに、商店街内に空中回廊があります。
上の写真はジュンク堂書店三宮店前の空中回廊。ちなみに全国展開しているジュンク堂書店の発祥地はこの三宮店です。
空中回廊を歩いていると、向かいの建物の窓から店内をのぞき見ることができます。写真展を見て歩くようにそういう景色を愉しむのも一興ですね。
三宮センター街2丁目のアーケードの特徴は版画家・川西英(1894〜1965)の代表作「神戸百景」のステンドグラスが飾られていることと、メッセージ性のある大きな垂れ幕が下げられていること。
上の写真は2020年5月に撮影。洋画家・鴨居玲(1928〜1985)の絵と共にコロナ禍に立ち向かう決意を示しています。
2020年12月撮影。詩人・俵万智の書。実はその1年前の2019年12月。俵万智さんは三宮センター街を訪れているのです。おそらく、その縁で掲げられたのかも。
2021年9月撮影。難しくなってきました。
※公式サイト:神戸三宮センター街