公開 : 2021/11/21
新開地で有名な焼き鳥屋さん「八栄亭」。創業は大正元年の老舗。神戸空襲の時には、創業者が焼き鳥のタレが入った壺を抱えて避難し、今もそのときの味を守り継いでいるという伝説ある名店です。
その歴史もさることながら、この建物のデザインにも注目。焼き鳥屋さんとは思えないモダン建築。丸窓やアーチ型の窓は大正〜昭和初期に見られる特徴ですね。
丸窓に近づいて見ました。窓周りの煉瓦の組み方が大正モダンな感じです。
そして、この写真でもう一つ注目して欲しいのは右側の看板。
「八栄亭(上店)」と「八栄亭下店」と表示されています。これはいったいどういうこと?
裏側に回ると…おわかりいただけたでしょうか?
1枚目の写真では3階建てなのに、裏側に回ると2階建てになります。つまり裏通りから入ると上店、表通りから入ると下店に入店となるわけですね。
また円形のレリーフの上の出っ張りに「取って付けた」感があります。
横から見てみました。表と裏で段差があったんです。そもそも新開地は天井川の湊川を埋め立てた場所に発展。八栄亭はちょうど、その縁に建てられたことから、このような構造になっています。
パイプの配置にも歴史を感じます。
そしてY字路に建ってるんですね。とにかく建物鑑賞だけでも見飽きない焼き鳥屋さんです。焼き鳥も美味しいらしいので、いずれ食べに行きたいです。