孫文記念館の松海別荘に入ります。
松海別荘は、華僑の資産家・呉錦堂の別荘として明治時代後期に建てられたと言われています。
建てられた当時は、その名の通り、舞子の松林と明石海峡の景勝地に包まれた別荘だったのでしょう。今では明石海峡大橋も見ることができます。
現在は中国の思想家・孫文(孫中山)の博物館的な存在のため異人館の感覚で入るとちょっと戸惑うかもしれません。
孫文は中華民国の建国に関わり、現在でも中華民国を受け継ぐ台湾はもとより、中華人民共和国でも「国父」と讃えられる現代中国の基礎を築いた思想家です。とりわけ台湾では紙幣にも肖像が描かれています。
中国が清だったころには日本に亡命しつつも、王朝打倒に闘志をもやしていました。
孫文の思想は、清王朝を倒した1911年の辛亥革命のきっかけを与え、中華民国初代総統にも選出されました。
孫文記念館とはいうものの、館の主人である呉錦堂に関する資料も展示されています。
呉錦堂は大正時代の日本の長者番付や、日本の名だたる大企業の大株主にも名を連ねる大富豪でした。
孫文自身も1913年にここを訪れていますが、次のページでは孫文も見ることはなかった移情閣へ行ってみましょう。
※公式サイト:孫文記念館