公開 : 2020/10/11
神戸の東部副都心・HAT神戸の一角に古くさい…ではなくレトロな建物を発見しました。この建物は日本香料薬品という会社の工場の敷地の一角にあります。
同社のウェブを見ると1930年に「現在の本社敷地内に本社・工場・研究室が完成」と記されてました。つまり、この建物は1930年竣工なのです。
ウェブには当時の敷地を俯瞰したと思われる写真もあり、この建物を見つけることができます。
ただ写真と微妙に違うのは東西の幅、今の方が狭くなっているようにもみえます。1992年には工場、研究施設を全面立て替えをしているとのことで、もしかすると工場用地を広げるために削られた可能性も考えられます。
気になるのは、玄関部分だけが、黒くすすけているところ。1945年の神戸空襲で本社工場が罹災したとのことなので、空襲の跡かもしれません。そして、ここだけけを残して、他の部分は改築された可能性も考えられます。
ところで、日本香料薬品は、大正時代から昭和初期にかけて神戸を拠点に日本一の売上を誇った財閥「鈴木商店」の流れを組んでるんですね。歴史を感じます。
歴史と言えば、この場所には「乙女塚古墳」と名付けられた前方後円墳がありました。昭和初期に撮影された航空写真でも、この地にそれらしき形を見つけることができます。現在、古墳はなく、敷地内には鳥居と祠が祀られ、敷地の外には地蔵が祀られています。
※公式サイト:日本香料薬品株式会社