公開 : 2018/07/01 , 写真差し替え : 2021/4/4
元町駅前にある元町駅交番。この特徴的な建物はブラジルの教会をイメージして設計されました。
交番そのものは、もともとここにあったわけではなく、2002年、地域の要望で近隣の交番を統合して、現在の元町駅前に開設されました。
話は元に戻して、なぜ「ブラジルの教会風」なのか。それには理由があります。
交番の裏を南北に通る道は「鯉川筋」。ここから南へ行くと、大丸神戸店や元町商店街、南京町、乙仲通、海岸通、そしてメリケンパークへ繋がります。
鯉川筋は、別名「海外移住者の通った道」といわれ、明治時代後期から、日本の南米移民政策が終了する昭和後期にかけて、日本各地から南米へ移民したおよそ25万人もの人びとがこの道を通って、神戸港から南米へ旅立ちました。
兵庫県警は新たに交番を建築するにあたり、南米へ移民した人々に思いを寄せてブラジルの教会をイメージした建物にしたそうです。
頭頂部のステンドグラスは、神戸を旅立った移民者がブラジルで最初に見たであろうブラジルの海をイメージしています。
なお、鯉川筋を山側へ歩くと、つきあたりには日本における南米移民の拠点・旧国立移民収容所跡である「海外移住と文化の交流センター」があります。