公開 : 2021/3/23
平安時代に編纂された、全国に伝わる物語を集めた『大和物語』には「生田川」(147段)と題された話があります。
これは『万葉集』に登場する悲恋の物語「菟原処女伝説」と同じ話ですが、『大和物語』では『万葉集』には登場しない生田川が登場します。
菟原処女伝説は当サイト内のリンクを参照していただくとして、『大和物語』の「生田川」は、南北朝時代には謡曲・能『求塚』、明治時代には森鴎外によって戯曲『生田川』としてリスペクトされました。
平安時代当時の生田川は「旧生田川」なのですが、この「処女塚伝承の地」の碑は新生田川沿いに建てられています。「伝承の地」というには、ちょっと場所が離れているような…
ただ謡曲『求塚』には“若菜の里”(現在の新生田川周辺から熊内付近)を連想させる描写もあるので、当たらずとも遠くもないとも言えますね。