公開 : 2021/1/17
悲恋の物語・菟原処女伝説で、菟原処女にプロポーズした2人の男性のうちのひとり・菟原壮士の墓と伝えられる西求女塚古墳。現在は「求女塚西公園」として整備されていますが、東求女塚古墳(求女塚東公園)と違って「これぞ古墳」という景色が残されています。
古墳側面の葺き石。うっそうと茂る木々が神戸市街地とは思えない雰囲気を醸し出していますが、道路1本隔てると、そこは工場地帯で、すぐ横を阪神高速道路が走っています。
この緩やかなカーブから前方後円墳と思われていましたが、1985年の発掘調査で、処女塚古墳と同じく前方後方墳であることがわかりました。
前方後方墳の「後方」から「前方」を眺めてみました。
この古墳の前方も、東に2kmのところにある処女塚古墳を向いており、東求女塚古墳とともに、その配置から、菟原処女に想いを寄せた男たちの墓と思ったのでしょう。
でも考古学的にはこの西求女塚古墳は3世紀後半に造られたと考えられています。全長は95m。菟原処女伝説に登場する3つの古墳の中では最古かつ最大です。
古墳の前方は児童公園となっており、ジャングルジムや、考古学っぽい謎のオブジェがありました。
ところで、2009年、この公園で友達と遊んでいた小学生が青銅鏡の破片を発見するという出来事がありました。しかも、それが国指定重要文化財になっています。
いい歳をして、ジャングルジムに登り、後方を眺めてみました。
誰もいないと思ったら、女の子がおるやん!完全に変質者😓
公園の入口。公園名は「求女塚西公園」。でも、少し奥には「求女公園」の碑も…。
さて、この古墳、考古学的には大変貴重な発見があり、ここから発掘された三角縁神獣鏡(通称「卑弥呼の鏡」)は国の重要文化財になっています。また古墳自体も2005年に史跡名勝天然記念物に指定されました。
※参考サイト:
・全国遺跡報告総覧 西求女塚古墳第5次・第7次発掘調査概報
・文化遺産オンライン 西求女塚古墳
・文化遺産オンライン 兵庫県西求女塚古墳出土品