アニメ映画「火垂るの墓」で、空襲の焼け野原にポツンと建っていた建物が、この御影公会堂。事実、空襲では外壁だけが奇跡的に残りました。
『火垂るの墓』をイメージして遠巻きに御影公会堂を見てみました。『火垂るの墓』から75年後の風景です。
アニメ映画「火垂るの墓」では、この石屋川橋はアーチ橋として描かれています。
石屋川公園の「火垂るの墓の碑」から御影公会堂を見る。
そしてお子様を連れてお散歩しているお母さん。このような平和な日が続くことを願ってやみません。
ちなみにアニメ映画の 「火垂るの墓」では、この対岸で節子を背負った清太が空襲で焼け残った御影公会堂を呆然と眺めていました。
御影公会堂は1933年竣工。設計は旧神戸生糸検査所(現・KIITO)や旧魚崎町役場などを手がけた清水栄二によるものです。
近づいて見てみましょうか。
御影公会堂をいろんな方向から見ると、それぞれに表情があり、飽きさせません。
例えば横(東側、西側)から見ると公会堂ホール(白鶴ホール)の窓が階段状に配されており、正面の几帳面に計算されたようなデザインとは違った遊び心を感じます。
裏側は、無表情、いや無感情な佇まいです。
三角に突き出た出窓の下のデザインは船の舳先をイメージしているようです。実はこれと似た構造は甲南漬資料館にも施されています。
建物西側。地下は食堂へ繋がりますが、ここから入ることはできません。
御影公会堂をぐるっと一周してみましたが、近代建築に興味がなくてもモダン建築の「奥深さ」を感じ取れたのではないでしょうか。設計士・清水栄二の仕事の真髄を見たような気がします。
では、中に入ってみましょうか。
公式サイト:御影公会堂