湊川隧道は通り抜けができないため、地上から下流の吐口を目指します。
湊川隧道のそばを神戸電鉄の電車が通過していきます。1928年、神戸電鉄の開通に伴い、湊川隧道は上流へ延伸。もともとの呑口は延伸部分により埋められてしまいました。(詳細は内部編をご参考ください)
ほとんどがトンネルの中を通る新湊川は兵庫区〜長田区へ東西に流れ、その川沿い海側には会下山公園という大きな公園があります。吐口へはこの公園の縁に沿って目指します。道中、いくつかの起伏があり、距離的に大したことはなくても、キツいものがあります😓
脇道にひっそりと佇む「神戸電鉄敷設工事朝鮮人労働者の像」。
1927年〜1936年の間、神戸電鉄の前身・神戸有馬電鉄、三木電鉄の敷設工事で亡くなられた朝鮮人労働者13名を追悼するモニュメントです。
朝鮮人労働者の像の前を走る神戸電鉄。
銅像台座裏には亡くなられた方々の名前、日、場所が刻銘されていました。ちなみに13名が亡くなられた時の年齢は24歳〜47歳。
湊川隧道吐口。モダンな造りですが、ここは明治時代の吐口を復元したものです。
「天長地久」の額は湊川隧道建設の記念碑ともいえる額で、1901年当時の陸軍大将・小松宮彰仁によるもの。
「天長地久」には「天地が永遠に変わらず、物事がいつまでも続く」という意味がありますが、湊川隧道建設のきっかけとなった1896年の旧湊川の氾濫では堤防が100mにわたり決壊、38名もの住民が亡くなるという大惨事になりました。このことから新湊川造成で住民が平穏な生活が続けられるよう願ったのでしょう。
正面の橋から吐口の全景を撮ってみました。
吐口の周辺は親水公園となっており、湊川隧道で使われていたと思われる煉瓦がベンチになっていました。
川面へ下りてみました。
実は、この時点でにわか雨が降っており、急な増水にビビりながら撮りました。
川岸に貼られた注意喚起。「トンネルには絶対に入らないでください」と書かれています。これこそが、湊川隧道の通り抜けができない理由でもあります。
ただし、2021年に一度だけ、吐口から上流の呑口への通り抜けが実施されたことがあります。実は私は、この日を狙って参加申込みをしようとしたら、すでに受け付け終了になり断念した経緯があります。
川岸にいたカモ。
なお、湊川隧道の一般公開は毎月第三土曜日の13:00〜15:00に行われています。予約不要、入場無料ですが、詳細は公式サイトを確認しておでかけください。
※公式サイト:湊川隧道公式WEBサイト
※参考サイト:湊川流路の変遷(兵庫県神戸土木事務所)