花のない花時計。もう、この場所で時を刻むことはありません。
日本最初の花時計として知られる「こうべ花時計」は、神戸市役所2号館の立て替え計画により、2018年12月に撤去工事が始まりました。
日本最初の花時計撤去の経緯はこちらをご参考ください。
2018年12月現在の花時計広場。第1回の花時計のデザイン碑や、花時計開設当時に設置された「花時計について」の碑はそのまま残されていました。
「花時計について」の碑には下記の言葉が刻まれています。(原文のまま)
花時計について
神戸市が我が国はじめての花時計建設を計画されたのを喜び、私ども神戸フラワァソサィティは、街を美しくして、市民の生活にうるおいをもらたすようにと広く市民に呼びかけて資金を募り、神戸緑化協会及び毎日新聞社の協力を得て、新市庁舎落成のこの日にこれを作りあげました。
この市民のちからで出来上った花時計が、どうかいつまでも、みなさんの眼を楽しませ、心を明るくひらく時を刻むように祈って居ります。
昭和三十二年四月 神戸フラワァソサィティ会長 原口梅子
ついに針もなくなりました。
花時計開設時に設置された「花時計について」の碑も撤去されました。
工事現場のフェンスには、最後のデザインとなった「茜離宮」の写真と、移転の説明文の貼り紙が貼られました。
「最終的な整備場所については未定です」の文言も入っています。
花時計の裏に建つ「トーテムポール跡記念碑」は、まだ残されていました。ここにはアメリカ・シアトル市との姉妹都市提携で、シアトル市から1961年に贈られたトーテムポールが2015年まで建っていました。