公開 : 2022/8/13 , 写真追加 : 2023/1/8
三宮と新神戸駅のほぼ中間に横たわる加納町歩道橋(1970年竣工)。
神戸の人はもとより、神戸へよく仕事や遊びに来る人ですら「あそこか!」とわかるぐらいのランドマークです。
歩道橋の上から三宮方面を見てみました。
三宮・新神戸間の地下鉄料金をケチるために歩いて行こうとすると、この歩道橋が立ちはだかります。この歩道橋を渡るぐらいなら地下鉄料金を払えばよかった…と思った人もいるのではないでしょうか?
加納町歩道橋といえば、加納町交差点を斜めに横断する長い陸橋。
差し渡しは約76m。途中に支柱はなく、まさに「陸橋」です。かつて、ここには旧生田川が流れていましたが、旧生田川の川幅がどれだけあったかも体感できます。
さて、この加納町歩道橋のメインストリートと言ってもよい、この長い陸橋。いったいどうやって支えているのかというと、歩道の間に鋼鉄製の梁を渡して支えているのです。というか、この物体、梁だったんですね。
でも地図を眺めていると「この長い陸橋、三宮から新神戸へ移動することを考えると、なくてもよかったのでは?」と思うのですが、実は加納町歩道橋が造られた1970年には存在してなかったのです。
上の写真は国土地理院空中写真から加納町交差点を切り抜いたもの。左が1963年、右が1975年に撮影されたものです。加納町歩道橋は1970年に整備されていますが、当時は山側と海側の2つの歩道橋が独立して存在していたんですね。
つまり、あの長い陸橋は1970年代後半に新たに架けられ、現在の巨大な加納町歩道橋の形ができたのです。
加納町の通りから見た加納町歩道橋。
歩道橋の支柱。
高度経済成長期のモータリゼーション優先のまちづくりの象徴だった加納町歩道橋。ついに一部が撤去されることになりました。
神戸市の歩行者優先のまちづくりの一環として、2022年8月、加納町交差点の山側に横断歩道が設置されることにより「加納町北歩道橋」が撤去されることになりました。
撤去される加納町北歩道橋。現在は加納町歩道橋の一部ですが、前述の通り、もともとは独立して存在していた歩道橋です。
撤去といえば、2021年までは歩道橋越しにこんな風景…もはや風景とはいわないですね。布引アパート (1967年竣工、2022年解体)が立ちはだかっていました。
それでは2022年夏の加納町歩道橋の全景をご覧いただきましょう。ずいぶんスッキリしました。
イスズベーカリー本社工場も兵庫区へ移転し、そのうち取り壊される予定。加納町歩道橋自体も、近い将来、加納町交差点の立体交差化で完全に撤去される計画もあるとか、ないとか。
2022年9月22日撮影
9月20日をもって加納町北歩道橋の通行ができなくなりました。そして9月30日、歩道橋は完全に撤去されてしまいました。
2022年12月29日撮影
加納町北歩道橋が撤去され、横断歩道が設置されました。
では、加納町歩道橋を渡ってみましょう!