公開 : 2018/08/12 , 写真追加 : 2020/8/10
新幹線新神戸駅。神戸の都会と山間部の境界でもあります。
神戸の魅力は、なんといっても繁華街から徒歩で海や港に行けたり、そして山へ行けたりできる点。
三宮から新神戸駅までなら、地下鉄で数分ですが、徒歩でも15分程度で行くことができます。そして、さらに、ここから5〜6分歩けば、そこは緑あふれる布引の滝です。
※パトカーは、撮影時にたまたま映り込んだだけで、狙って撮ったものではありません😓
まず最初に見えてくるのは「雌滝」です。優しく一直線に流れ落ちるところが女性的に見えるのでしょうか。
布引の滝は『伊勢物語』などに登場し、平安貴族たちがこぞって和歌の題材としたことでも知られ、道中には、その和歌を記した石碑が多数あります。また布引の滝の下流・新生田川流域には、これらの和歌にちなんで付けられた地名が多数あります。
※参考:葺合・地名ものがたり
ちなみに、滝が流れているため見ることができませんが滝壺の下には人工的に開けられた穴(雌滝取水堰堤・国指定重要文化財)があり、その穴から取水した水を、砂子橋(布引水路橋・国指定重要文化財)を経由して浄水場へ送っているそうです。雌滝の左側には明治時代に作られた取水施設の一部を見ることができます。
雌滝までは、はっきりいって異人館帰りにハイヒールで来ることも可能です。が、布引の滝は全部で4つの滝で構成されており、雌滝以外の滝を見たい場合は歩きやすい靴で来られることをお勧めします。
では「鼓ヶ滝」を目指しましょう!
雄滝を目指す道の途中にあるのが、この「鼓ヶ滝」です。はっきり言って、多くの人はこの滝の存在に気がつかず、通り過ぎていきます。
今風に言えば「ばえない」滝ですが、滝の水音が鼓の音のように聞こえるから鼓ヶ滝と名付けられたそうなので、道中、耳を澄ましながら、この滝を探してみてはいかがでしょうか? (道中に「鼓ヶ滝」と掘られた碑があります)
鼓ヶ滝よりも存在感がある急流ですが、特に名前はありません。
布引の滝最大で落差43mを誇る「雄滝」。荒々しく勇壮です。
そして雄滝の滝壺の下からV字形に落ちる滝が「夫婦滝」(高さ9m)です。
最近は、欧米からの観光客がよく訪れているようです。InstagramでNunobikiを検索すると、外国の方が撮った布引の滝の写真をたくさん見ることができます。とりわけ雄滝の写真が多いです。私が訪れた2017年8月も大勢の外国人観光客と出会いました。
なお、雄滝には「おんたき茶屋」があり、滝を見ながら軽食も楽しめます。また布引ハーブ園へ行くロープウェーから見える滝は、この雄滝です。
夫婦滝。ほとんどの神戸っ子は雄滝の下にあるこの滝も雄滝の一部と思っているのではないでしょうか。二手の水流が1つに交わるから「夫婦滝」と名付けられたのでしょうね。
意外に知られていないのは、雄滝の見学用の橋には「狭ご路も橋」という名前があったこと。知らないとはいえ、そもそもなんと読むのでしょうか?
この辺りは布引峡谷と呼ばれることもありますが、最初の文字は、その「峡」ではなく「狭」です。その後は、おそらく「ごろも」と読むのでしょうか。謎です。
※あわせて読みたい!→神戸市中央区の地名のミステリー
雄滝を通り抜けて、さらに山道を進むと神戸市街地を一望できる「布引見晴らし展望台」にやってきます。小学生時代を神戸で過ごした方は一度は遠足できたことがあるのではないでしょうか。
さて、ここからさらに山道を進むと、あのタモリさんもブラタモリで訪れた日本最古のコンクリートダム「五本松堰堤」がある布引貯水池です。