布引貯水池

布引見晴らし展望台からは、しばらくなだらかな山道が続きます。その道中にあるのが「猿のかずら橋」。この橋を渡るとヴィーナスブリッジに出ることができますが、その道中がほとんど獣道。途中「滝山城跡」といった史跡もあるものの、あまりこの橋を渡る人はいません。

ということで、今回は、この橋は渡らずにメインロードを歩きます。

五本松のかくれ滝が見えてくると、日本最古のコンクリートダムはすぐそこ。なぜなら、この滝、ダムが放流中の時しかみることができません。むしろ、滝が見られない時のほうが珍しいです。

日本最古の重力式コンクリートダム・五本松堰堤が見えてきました。正確には「重力式粗石コンクリートダム」と言うそうで、1900年に建造されました。

木々がうっそうと茂っているためわかりにくいですが、ダム上部には、ヨーロッパの古城のようなデンティル(歯飾り)が施されています。

ダムと言えば、豪快な放水のイメージがありますが、このダムは、ダム本体から地下を通る給水管を通して水を放流するため、ダムからの放水を見ることはできません。

ここからは山道ではなくコンクリートの階段が続きます。

階段を上がりきると、そこには布引貯水池。地図で見ると胃袋みたいな形をしています(笑)。

もともと、ここの水は貿易船に供給され、世界中の船員たちの間で「赤道直下でも腐らない」と語りぐさになり、のちの国内でも神戸ウォーターや六甲の美味しい水などとして知られるようになりました。

当然、日本の名水百選に選ばれています。