公開 : 2020/9/27
多くの神戸っ子が知っている布引の滝の雌滝は、こんな姿ではないでしょうか。
ところが、上流の放水が少ないときは、こんな姿に変わります。
雌滝の滝壺は人工的な堰が設けられ、穴がポコポコと空いています。
実はこの堰は国指定重要文化財の「雌滝取水堰堤」という施設なのです。滝が流れているときは見ることができない幻の文化財といっていいでしょうか。1900年に上流の日本最古の重力式コンクリートダム「五本松堰堤」とセットで造られました。
文化庁の国指定文化財等データベースによると「近代堰堤の一つの規範を示す構造物として、土木技術史上、高い価値がある」と解説されています。
滝の横にある石積みの建物。現在も取水設備が設置され使われているそう。中を見てみたいですね。
当然、滝壺の堰もまだまだ現役で、ここから汲み上げられた布引の滝の水は奥平野浄水場へ送られています。
この幻の文化財・雌滝取水堰堤は、放水が少なくなる秋から冬にかけて、見るチャンスがあります。ただ上流の状況にもよるので必ず見られるというわけではありません。
ところで現地にある神戸市教育委員会の案内板では「雌滝」に「めだき」というふりがなが付けられていますが、地元民は「めんだき」と読んでいます。文化庁のデータベースでも「めんだき」と書いてあるのに、なぜ地元神戸市の解説で誤記なんでしょ…😓