公開 : 2020/8/9
徳光院は1906年に川崎重工創始者の川崎正蔵が開いた寺院。歴史的にこの場所には布引の滝で修行した役小角 (役行者=修験道の創始者)が開いた布引滝勝寺があったと伝えられています。
明治の大富豪が開いただけに広い境内には各地の貴重な文化財が移築されています。例えば、この山門は播磨地方の寺院から移築されたもので、瓦の刻銘から1766年に建てられたものと推定されています。
布引弁財天。徳光院が創建される以前から存在し、南北朝時代に建立され、室町幕府を開いた足利尊氏も詣でたという伝説も。
布引弁財天の筆塚。筆趣上達・廃筆感謝の込めて建立。毎年11月23日には筆供養が行われるそうです。
布引弁財天前から参道を振り返ってみました。
多宝塔と、その向こうの仏様は納骨堂。夏に訪れましたが、すでにモミジが色づいています。
この多宝塔は兵庫県最古で、神戸唯一の多宝塔。しかも国指定の重要文化財。
でも、もともと、この場所にあったわけではありません。川崎正蔵が垂水区名谷にあった室町時代建立の多宝塔を、自邸があった現在の新神戸駅付近に移築。しかし1938年の阪神大水害で一部が損壊したため、現在地に再移築されたそうです。
移築されたとはいえ、室町時代の貴重な建築技法を今に残しているだけに見飽きない建物です。
※公式サイト:臨済宗天龍寺派 大圓山 徳光院