公開 : 2020/5/31
神戸の中心地は「三宮」。この三宮という地名は「三宮神社」にちなみます。
三宮があるのなら二宮も一宮もありそう…実は、神戸には一宮から八宮までの神社があるのです。
これらを「生田裔神八社」といい、生田神社を取り囲むように点在しています。節分の日には一宮から順番に八宮神社まで詣でると厄落としができるとの謂われから「港神戸守護神厄除八社」とも言われています。
生田裔神八社には、どのような神々が祀られているのかを家系図っぽくしてみました。
天照大神 や 素盞嗚尊の立ち位置は神話によって設定が変わることもあるため、意図的に家族らしくなるような説をつなげています。
見てわかるとおり、七宮神社以外は天照大神に関連した神様が祀られています。ただ、天照大神と素盞嗚尊の間には「三女神五男神」が生まれたとされますが、そのうちの活津日子根命だけが祀られていません。
※七宮神社の祭神・大己貴尊 = 大国主命 は 田心姫命 や 瑞津姫命の配偶者とする話もあります。
※生田神社の祭神・稚日女尊は天照大神の妹とする話もあります。
生田裔神八社の配置は北斗七星に倣ったのではないかという説があります。
北斗七星は北の空で目立つ存在だったことから世界中で神話の題材になっています。上の図を見てもらうとわかるとおり、北斗七星のひしゃくの中に生田神社が入る形で8社が並んでいるようにも見える…見えなくもない…かなぁ…
でも生田裔神八社は、現在は事実上7社ですが、明治時代までは8社のはず。ところが…です。北斗七星は、実は八星であることが知られています。ひしゃくの柄の部分、おおぐま座ζ星のそばには「アルコル」という4等星が存在します。古代にはおおくま座ζ星が2つに見えるかどうかで視力検査をしていたと伝えられています。
そして神戸の地図を見ると、おおくま座ζ星の位置には六宮神社、八宮神社が!!
今は両社は合祀されていますが、明治時代まで六宮神社は八宮神社の北西側にありましたので、今よりも北斗七星(八星)っぽい並びになっていたかもしれません。
8つの神社がある住所のうち、神社名がそのまま住所になっている地域が4か所あります。その4か所は…
二宮町、三宮町、五宮町、七宮町
この数字の並びに真っ先に気付いた人は、根っからの理系人間です。数字に直すと…
2 , 3 , 5 , 7
単なる偶然なのか、神のいたずらなのか、素数がつく神社はそのまま神社名が地名となっているのです。
それでは、うんちくもここまでにして、みなさまの幸運を願って生田裔神八社を詣でましょうか。