この旧ハンター住宅、実は建築された時期がわかっていません。1889(明治22)年ごろには存在していたと言われています。
1907年頃に、横浜から移り住んできたイギリス人実業家であり、日立造船の創始者であるエドワード・ハズレット・ハンター氏が買い取り、改造を重ねて現在の姿になったと言われています。
北野町の異人館と比べると、各部屋がゆったりと作られていることがわかります。
各部屋には部屋と部屋を行き来する敷居(というのか?)の上部に「ブロークン・ペジメント」という飾りが取り付けられています。和風建築風に言えば、欄間のようなものでしょうか。
階段とステンドグラス。
ステンドグラスは教会にあるようなものとは違い、繊細な彫刻のようでもあります。
鏡台。
1階の鏡台には国指定重要文化財の指定書が飾られていました。
網目状の窓枠が特徴的なベランダ。実はハンター住宅が建てられた当初、この窓枠はなく、開放的なベランダとなっていたようです。ただ、開放的なベランダはヨーロッパと比べて風雨が激しい日本の気候に適さなかったことから、窓枠がはめ込まれ現在の姿になったと言われています。
そもそも異人館の建物の海側(南側)に大きな窓やベランダを配置するような設計は、日当たりをよくするためだけではないと言われています。
異人館の住人たちは基本的に外国の商社マン。神戸港の船の出入りで商売が左右されることから、港が見えるようにしているのだとか。
個人的に見ておきたいのは玄関のタイル。そのまま家に持ち帰りたいぐらいかわいらしいです
ただ、入館者はここで靴を脱いで、スリッパに履き替えるため、じっくり見ることできないかも。
神戸の異人館の特徴のひとつとして、建物の裏側は貧相です。理由は前述のとおりです。
そのかわり、北側の窓には必ずと行っていいほどステンドグラスがはめ込まれています。
さて、この旧ハンター住宅は年間通して内部公開されているわけではありません。春休みやゴールデンウイークなどの観光シーズンのみ、内部公開がされています。
入館は無料ですが、王子動物園の園内にあるため動物園の入園料がかかります。公開時期については公式サイトなどで確認してください。