公開 : 2022/8/29
夏のある日、ぶらっと北野町を訪れてみました。北野町と言えば異人館ですが、和風な雰囲気のある坂道にやってきました。左の和風な塀は、現在、結婚式場となっている「北野ハンター迎賓館」の塀。塀に残る点々は、戦争中の機銃掃射によるものでしょうか。
塀の穴に近づいてみました。わかりにくいですが、穴には「H」の文字が入っています。この「H」こそ、もともとの主であるエドワード・ハズレット・ハンターの頭文字です。
ハンターといえば、現在、王子動物園内に移築された旧ハンター住宅(重要文化財・1889年竣工)もハンターの家として知られますが、この地は、晩年、愛妻と静かに過ごすために建てた屋敷だそう。
ハンターが余生を過ごす場として建てられたのに和風建築というのが面白いです。現在は結婚式場となっているため、中には入れなかったので屋根だけですが…
これにはハンターの思想もあったのかも知れません。ハンターはイギリス生まれの貿易商。神戸開港時に旧居留地で貿易会社をたちあげ、のちに日立造船を創業したことでも知られます。
プライベートでは神戸移住とともに日本人の妻を迎え、公人として、イギリス本国に日本に対する不平等条約の改正を求めたことでも知られます。明治期の日本経済発展に寄与したことが認められ、明治政府から勲五等双光旭日章を受けています。
ちなみにハンター住宅はここから西へ250mほどの場所にありました。
※公式サイト:神戸北野ハンター迎賓館
※参考サイト:日立造船株式会社 創業者ストーリー