声を掛けてくださったのは兵庫津歴史アドバイザーの肩書きをもつ高松さん(お名刺までいただきました😓)
一歩、中に足を踏み入れると、お世辞にもきれいとはいえない内部。きょろきょろしていると、高松さんからこの建物の秘密が次々と解き明かされました。
「この建物は昭和2年(1927年)に建てられました」
江戸時代どころか昭和の建築でした。ところがこの建物の歴史がまた面白い。
「この建物が建てられる4年前に発生した関東大震災(1923年)を教訓に、耐震設計で建てられたんです」
確かに柱や梁が太い!
しかし、設計者は昭和初期の時点で神戸に大震災級の地震があると知って、この建物を設計したのでしょうか。今となっては謎ですが、結果として平成時代に発生した阪神・淡路大震災(1995年)も耐え抜き、今もその姿を留めています。
そういえば、神戸では1945年に大空襲もありました。
「周りは空襲で焼け野原になったのですが、この建物だけは偶然、空襲に遭わなかったようです」
なんという強運。でも海岸通のビルなども不思議なことに今も残っています。明治時代に建てられた海岸ビルヂングに至っては空襲で被弾したにもかかわらず被害は軽微だったと言われています。昔のビルは総じて強かったのか。
窓枠に昭和を感じます。建築当時は薄い色ガラスがはめ込まれていて、ステンドグラスのようになっていたのではないかとのことです。
また、昨年、階段の電球が切れたとき、裸電球ではなくLED電球(しかも白色w)に変わったのがちょっぴり残念だったとか。
3階の大部屋は兵庫津歴史館になっており、兵庫津、神戸港のおよそ1100年の歴史をパネルなどで学ぶことができます。
ただ、私が訪れた2019年時点で、建物内が公開されているのは月に1〜2回程度とのこと。(入口に貼られていたPowerPointで作られた貼り紙には「土日祝に一般開放」とありましたが…)
とにかく、現時点で公開日は高松さんが所属する「よみがえる兵庫津連絡協議会」のFacebookページで確認してください。ボランティアガイドの解説もあって、入館無料です。
1階の玄関口のタイルアート。ごつい建物にしては、可愛らしいです。
※公式サイト:よみがえる兵庫津連絡協議会