公開 : 2021/8/27
神戸には、奈良や鎌倉とともに三大大仏と言われた「兵庫大仏」(1944年解体、1991年再建)があることは知られていますが、実はもう1か所、大仏があるのです。それが、1932年建立の鵯越大仏。
ご尊顔。建立から89年も経つので、お肌がひび割れが目立ちますね。
鵯越大仏は兵庫区内にあった墓地を移転するための「鵯越共葬墓地」建設にあわせて神戸市が建立。兵庫大仏は戦時下の金属供出で解体されますが、この大仏はコンクリート製だったことから解体を免れ、今もその姿を残しています。
少し離れて見るとその大きさを感じ取れます。高さは11.7m。
建立当時は鵯越共葬墓地の頂上にあったとされていますが、戦後、鵯越共葬墓地が神戸市立鵯越墓園として整備され、今では大仏の背後に、東京ディズニーランド4個分に匹敵する広大な墓園が広がっています。
鐘楼。2015年から老朽化により鐘は取り外されました。
大仏の背後から景色を眺めてみました。向こうに見えるのは兵庫区、長田区の市街地です。
大仏の前は展望台になっており、神戸市街を一望できます。それどころか大阪湾越しに紀伊半島もうっすらと見えます。観光客はまず訪れることがない、隠れた絶景ポイントです。
ただし展望台の真下にも墓地があるため、撮影するときは要注意です。
東へ目を向けるとポートタワーや神戸大橋、ポートアイランドも見えます。鵯越大仏は神戸の街を見守っているわけですね。
ここから眺める夜景は最高だと思いますが、ここは墓園の中なので夜には来たくないですね。
※参考サイト:神戸市立墓園の沿革