神戸を訪れる外国人観光客に一番ウケているのが灘の酒蔵めぐり。逆に神戸っ子は異人館以上に酒蔵へは行ったことがないのではないでしょうか?
私もその一人。今回、初めて酒蔵へ入ります。
醪から液体のお酒を絞り出すための「槽場」の跡。 丸い穴に壺を置き、上層階で搾り出した酒を受けていたと考えられています。また地下構造の槽場は、全国的にも珍しいそう。
酒米を蒸す釜と竈。
醪仕込みコーナー。「仕込み」とは酒米を発酵させて醪を作る工程のこと。沢の鶴といえば「三段仕込み」のお酒としても知られます。ここには段階別に仕込み用の樽が並べられていました。
仕込みの回数が多いほど、甘いお酒になるのだそうです。
搾コーナー。「しぼり」とは、もろみを搾って液体の酒を分離する工程。この写真だけで滑車を用いて、テコの原理でお酒を搾り出す様子が目に浮かびます。
酒蔵の2階へ上がります。屋根の骨組みがいいですねぇ。
吹き抜けにぶら下がる滑車と、その向こうには樽廻船の模型。樽廻船は江戸時代、灘の酒を江戸などへ大量に運び、全国的に灘の酒が知られるきっかけとなりました。
古典落語に登場するお酒はだいたい灘の酒ですね。
麹造りコーナー。酒造には欠かせない麹造りの道具が展示されています。
ところで、酒造りの道具の名前にはユニークなネーミングのものが多いです。たとえば「まんじゅう」「きゅうり」「ねこ」「つばめ」「とんぼ」「さる」など。いったい、それはどんな道具なのか。実際に訪れて見て確認してみてください。
入口に積まれた酒樽。沢の鶴の紋が「※」なのは、もともと米問屋だったからだそうです。
なお、一通り見学すると、ミュージアムショップで試飲(無料・2種類)と、ここだけでしか買えないお酒なども購入できます。ちなみに私は絞りたての清酒と年代物の梅酒を試飲できました。梅酒はジュースっぽい甘さが印象的でした。機会があれば、他の酒造メーカーの酒蔵も見てみたいですね。