公開 : 2022/5/3
あ!神戸市電が!
ひょっとして、50年以上前にタイムスリップしてしまったの!? いえ、ここは2022年の神戸市内、東灘区の小寄公園です。
「楠公前」の行き先表示。この電車に乗って湊川神社へ行けたんですね。
神戸市電(開通当時は神戸電気鉄道という私鉄)は1910年、春日野(現在の阪神春日野道駅付近)と兵庫駅の間に開通したのを皮切りに、最盛期には石屋川から須磨まで15系統の路線を走り、1971年まで営業していました。
「手合図をしなさい」って、誰にむかっての掲示なのでしょうか。 ここにある神戸市電は、現存する神戸市電の中で唯一、神戸市交通局のマークが付いている車両だそうです。
小寄公園に保存されている1155号は、神戸市電で最後に建造された電車のうちの1両。言い方を変えると「神戸市電の最新型」ですね。建造は1956年。
ちなみにこの車両の弟にあたる1156号は、現在、広島市内を走っているそうです。しかも神戸市電なのに神戸よりも広島生活のほうが長い!
横から。
車両番号のフォントは今も神戸市営地下鉄の車両番号に引き継がれています。
帰ろうかと思ったら、公園に遊びに来た子どもたちが通り過ぎようとしていたので撮ってみました。車体の大きさだけでなく、長さも感じ取ってもらえるでしょう😓
公園内を歩いていると、小さな機関車を見つけました。
この蒸気機関車は戦時中、中国向けに製造されましたが、中国へ行くこともなく八幡製鉄の工場内で稼働。終戦後は石原産業四日市工場に引き取られ、鉱物などの運搬車として1967年まで活躍していたそうです
連結部
背後から
この汽車、ここを走っていたわけではないのに、踏切と機関車注意の標識まであります。
実は小寄公園は1969年まで運転免許試験場がありました。その後、本山交通公園として整備され、ここで自動車の運転の練習もできたそう。私の知り合いにも、教習所に通わず、この公園で運転の練習をして免許をとった強者を知ってます。
公園内の横断歩道。公園内なので車が通ることはありませんが、これも運転免許試験場の名残です。その向こうには市電1155号が見えます。