いよいよ倚松庵の中に入ります。が、ここにもコロナ禍の影響が…。
まず玄関前に設置されたアルコールで手指消毒、受付で住所氏名を記載、そして体温測定をして、問題なければ入ることができます(ちなみに入館料無料です)。
ちなみに倚松庵の名前は谷崎の3番目の妻・松子にちなみます。
応接間です。『細雪』の中では家族の団らんの場として描かれています。
本棚には谷崎潤一郎の著書が並べられ、自由に読むことができるらしいのですが、コロナ禍の影響からかソファに座ることもできませんでした。
応接間の入口。暖炉らしきあとや、扉の小窓はステンドグラスが埋め込まれています。
照明は間接照明となっているところが『陰翳礼讃』の谷崎らしいです。倚松庵の1階は基本的に薄暗いです。
ちなみに随筆『陰翳礼讃』は倚松庵に引っ越す前の1939年に書かれたもの。
応接間と奥の洋間。『細雪』では「いったいこの家は大部分か日本間で、洋間と云うのは、食堂と応接間と二た間つづきになった部屋があるだけであったが…」と解説されている部屋です。
奥の洋間では記念スタンプが押せます。私が訪れた日は倚松庵オリジナルうちわもいただき、うちわにも谷崎潤一郎の住所氏名印を押してみましたが、あいにく、にじんでしまいました。
ちなみに、この部屋にある調度品のうち、イス1脚だけが谷崎が実際に使ったもので、ほかはすべててレプリカや、同じ物を古道具屋で購入してきたものだとか。
廊下にあったスタンド。谷崎とは直接関係なさそうです。
廊下にあった電話。「谷崎も使ってたんかな」と思ったらプッシュボタン付いてるし、返却口あるし…。
1階和室。『細雪』では3姉妹が夏に涼んでいた部屋がここ。
お風呂場(と蚊取り線香)。倚松庵ではところどころイラストで解説があり、ビジュアルで『細雪』の世界を感じることができます。
上の写真は廊下から撮影しましたが、その向こうは台所になっています。つまり風呂場は2つの出入り口があります。
台所。冷蔵庫や電子レンジなどがありますが、そっくりそのまま移築したため、やはり昭和初期のレトロな台所となっています。
それでは、『細雪』の書き出しの場面となる2階へ上がってみましょう。
※公式サイト:神戸市 倚松庵(『細雪』の家へようこそ)
※参考サイト:青空文庫・作家別作品リスト:谷崎潤一郎