公開 : 2020/12/13
仏教会館なのに、キリスト教会のようにも見える芦屋仏教会館。1927年竣工。
カトリック芦屋教会ともに芦屋市景観重要建造物に指定されています。そもそも芦屋市の景観重要建造物はこの2棟しかなく、宗教を超え、芦屋川を挟んで建築美を競っています。
側面の丸窓も特徴的です。建物は船をイメージしてデザインされていると言われています。
西日に照らされた裏側。
芦屋仏教会館は宗教法人ではなくではなく財団法人となっており、仏教がメインとはいえ、特定の宗教にとらわれない運営方針をとっているとか。
そのため、空襲を免れた会館は、終戦直後は甲南高等女学校の仮校舎として、1954年から1959年までは芦屋市立図書館として利用されていたそうです。
裏側の装飾が西日に向かって合掌しているようにも見えます。
山側から。
裏口の階段も凝った設計になっています。
芦屋川の対岸から真正面
ところで、芦屋仏教会館は関東大震災の4年後に、当時では珍しい免震設計で建てられました。同じ年に竣工し、神戸市兵庫区に現存する旧岡方倶楽部も関東大震災の教訓から耐震設計で建てられ、いずれも1995年の阪神・淡路大震災の震度7の揺れを耐え抜きました。関西でも、この年代の建築物は免震・耐震設計が普通だったりするのでしょうか。興味深いです。
玄関上部にある蓮の花をかたどったステンドグラス
※公式サイト:公益財団法人芦屋仏教会館