いよいよ、築250年の内田家住宅(兵庫県指定重要文化財)の中に入ります。
内田家住宅の間取りは玄関を入ると広い土間、片隅に厩、そして玄関左側には和室2部屋、台所、納戸が田型に配されています。
まずは和室。手前が10畳の下の間、奥が8畳の上の間となっています。庄屋さんの家だけあって、お祝い事などがあれば、村人たちがここに集まって会食をしてたのでしょうか。ちなみに床の間の左には家紋入りの仏壇が設置されているそうです。
上の間から縁側。
下の間の天井と壁。天井はよしず張りになってるんですね。そして向こうの壁のうち、一部が汚れていますが、2003年に保存修復工事が施されたものの、この部分だけは修復せず、建築当時のままを残しているのだとか。
縁側の天井。こうしてみると茅葺き屋根は意外に複雑な組み方をしています。
屋根を支える木組みは「オダチトリイ」という組み方で、現存する日本最古の民家「箱木家住宅」(国指定重要文化財・築800年・神戸市北区山田町衝原)と同じ組み方だそうです。
そして縁側。
上の間から縁側越しに庭の灯籠を見る。
台所から土間を見ています。台所には囲炉裏と火鉢。土間には竈も見えます。
普段はここでご飯を食べていたのでしょうね。
台所から縁側を見てみました。隣の部屋は10畳の「下の間」。
納戸。
台所から行き来できますが、それ以外は壁に囲まれ、昼間でも薄暗いです。ここでは江戸時代から内田家で使われていた品物などが展示されていました。
実際は家財道具の保管だけではなく、主人夫婦の寝室としても使われていたようです。
土間の竈。大小5個の竈があります。内田家住宅には煙突がありませんが、屋内で強火を使うことによって防虫効果や建物の傷み防ぐ効果もあったそうです。
ちなみに竈の向こうでは管理人と近所の方が談笑してました。江戸時代もこんな感じで近所の人たちが立ち寄って談笑してたのかもしれませんね。
土間から屋根を見上げてみました。先ほどは縁側から茅葺き屋根の構造を見ましたが、こうしてみると茅葺き屋根の骨格がよくわかります。これが茅葺き屋根を支える「オダチトリイ」という組み方です。
厩。同じ屋根の下で家畜が飼われていたと考えられています。
厩前には玄関口があり、そこから外を見てみました。
内田家住宅は神戸電鉄鈴蘭台西口駅または鈴蘭台駅から北へ徒歩15分程度のところにあります。入場無料ですが、内部公開は不定期なので神戸市の「神戸の文化財」のサイトで確認を。
※公式サイト:茅葺民家・内田家住宅