公開 : 2020/8/16 , 写真差替・追加 : 2023/10/9
新幹線新神戸駅を西へ行けは異人館街ですが、東へ行けば、このようなモダンな建築に出会えます。1938年竣工の神戸市文書館です。
一見、左右対称と見せかけて、左右で表情か異なります。玄関の高い天井と装飾、上層階の六角形の窓が特徴的です。
扉の彫刻に近づいて見ました。
設計は大正時代から昭和初期に活躍した建築家・小川安一郎によるもの。
個人的には右側の南蛮船の飾りがお気に入り。見ようによっては鳥のようにも見えませんか。
裏からも眺めてみました。
そして玄関前の高い天井
もともとは大地主だった池長孟(1891〜1955)がヨーロッパで買い集めた美術品を展示するために建てた私設美術館でした。
誰もが教科書で見たことがある「フランシスコザビエル像」(重要文化財)も池長のコレクションの1つ。しかもザビエル像は父の遺産の別荘を売って購入したそうです。現在は旧池長美術館の流れを組む神戸市立博物館で見ることかできます。
晩年は、この建物で奇跡的に戦災を逃れた美術品およそ7000点を美術館の建物ごと神戸市に寄贈。池長美術館は神戸市立南蛮美術館となります。
1982年、神戸市内の美術館の統合計画により、南蛮美術館の収蔵品は旧居留地に開館した神戸市立博物館へ移され、その後、この建物は市の歴史資料や公文書を保存・公開する神戸市文書館として活用されています。
[2023年1月20日追記]
神戸市文書館は2025年度を目途に旧岡方倶楽部へ移転することが決まりました。移転後の旧池長美術館の活用について、神戸市行財政局は「地域の景観形成にも重要な歴史的な建築物であることを踏まえ、有効に活用できる方策を検討していきたい」としています。